2017年8月22日火曜日

2017年8月6日

2017年8月6日 平和聖日礼拝説教要旨
「小さいものに気をつけよ」 榎本栄次牧師(関西セミナーハウス)隠退教師
マタイによる福音書 18章10~14節
 日本基督教団では毎年八月第一聖日を平和聖日として世界平和のために共に覚え礼拝することとされています。戦争責任の告白に基づき、もう再びあの戦争の過ちを繰り返さないという決意であり、私たちの信仰の告白でもあります。
 さて主イエスは、「天国でだれが一番偉いのですか」(18:1)と問う弟子たちに「これらの小さい者を一人でも軽んじないように気をつけなさい」と忠告します。つづいて、有名な「99匹と迷い出た一匹の羊」の話をされました。「迷い出た一匹を探しに行かないだろうか」と尋ねます。この疑問形は「必ず行く」という強い肯定文です。
 しかし「本当に探しに行くでしょうか」私は行かないのではないかと思うのですが、皆さんはどうですか。「あの一匹さえいなければ」「いなくなって良かった」とつい考えます。「立派な」教会をつくるために今はいけないとするのではないでしょうか。去年の7月26日に相模原の障害者の施設で19人の障害者が殺された事件がありました。加害者の青年は「このような人たちはこの世に害をもたらすだけだから、いない方が世のためだ」と強弁して止めない。彼のことをヒーローにしようとする人も少なくないそうです。今の政治姿勢はそのような「倫理」が支配しているのではないでしょうか。
 ナチスドイツでは障害者から先にガス室に送られたそうです。理由は「健康で立派な社会を作るため」です。南京大虐殺の時、日本ではちょうちん行列で祝いました。ここで恐ろしいのはヒットラーや日本の軍国主義者ではなく、その時同じところで知らない顔をして「清らかな敬虔な」礼拝ができている一般人ではないでしょうか。
 「わたしが来たのは正しい人を招くためではなく、罪びとを招くためである」(9:13)とイエスは言われました。今日、高齢化して教会の危機が叫ばれていますが、それは主が言われる「小さいものに気をつけろ」という言葉を聞き違えているのではないでしょうか。いっぱい救いを求めている人がいます。主と共にそこに出かけましょう。

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