2018年1月7日日曜日

2017年12月24日

2017年12月24日 降誕日(クリスマス)礼拝説教要旨
  「主の母 マリア」 宇野稔牧師
  ルカによる福音書 1:46~56節
 ここには「マリアの賛歌」又はマニフィカートと呼ばれる歌が伝えられています。これは妊娠した後のマリアが天使のお告げによって、エリサベトを訪問した時に歌われたものでした。マニフィカートはギリシャ語では「メガリュノー」という言葉で、「メガ」というギリシャ語は「大きい」という意味があります。日本語では「私の魂は主をあがめ」と訳されていますが、直訳すると「私の心は主を大きくする」となります。つまり神をあがめるということは、神を大きくすることです。逆に言えば、私たちの心の中で神を小さくしているのではないかと問われているのです。
具体的にマリアが歌ったことは神の力によって起きる「逆転」であるのです。大人になれば何でもできる、そしてできることこそ素晴らしいことで価値のあることと感じる社会に私たちは生きています。しかし赤ちゃんの周辺だけは違います。強いもの、大きいものが低くなって、小さくて弱いものを大切にするのです。マリアは何よりもまず、主は大きい、主の恵みは大きいと声を上げたのです。何と比べたのでしょうか。自分は小さいけれど、主はこの小さいものに目をとめて下さる、主の恵みは大きいと歌っています。神はまさにこのような世界を形づくるためにイエスを最も弱い赤ちゃんという形をとってこの世に送って下さったのです。
私たちは自らが弱く小さかった時のことを大人になりこの世的な強さを身に着けるにつれて忘れてしまいます。大きい者と小さい者が共に生きていく社会を忘れてしまっているのです。神がご自身を低くして人間になられたという逆転が起こったこのクリスマス、主の母となり、恐れや不安の中にあっても本当の強さに気づき「私の心は主を大きくする」と神を讃美したマリア。彼女のように神の前で傲慢に生きてしまいそうになる自分を小さくし、一人ひとりの心に主を大きく迎えたいと思うのです。クリスマスという大逆転の今この時、私たちの周りにいる人に目を向け、共に生きる歩みを始めたい。

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