2018年1月22日月曜日

2018年1月7日

2018年1月7日 降誕節第2主日礼拝説教要旨
 「神に栄光、地に平和」 宇野稔牧師
 ルカによる福音書 2:14~20節
 クリスマス物語になれ親しんでいる者にとって、羊飼いの物語は当たり前のように読んでしまうところなのですが、実はここには驚きをもって読むところではないでしょうか。当時の社会の中で律法を守らないで救いから最も遠い人間だと考えられていた羊飼いに、救い主誕生の最初の知らせがもたらされたというのが最初の驚きです。次の驚きは飼い葉桶に寝かせる赤ちゃんに対面するのですが、自分たちより貧しい弱い存在だったのに、神をあがめ讃美したという点です。さらに信仰心がないはずの彼らは羊を置いてイエスを礼拝しに行った事です。
 こう考えてみると驚くことに常識が逆転しているような物語です。つまり救い主が生まれたということは価値観がひっくり返っている出来事に違いありません。私たちは今、出会っている様々な事柄を一生抱え込まねばならないのかと思うのですが、「そうではない」と聖書は宣言するのです。そこでルカは一人の人マリアを登場させるのです。マリアは一連の事柄、即ち受胎告知、エリサベトの訪問、ベツレヘムの旅、馬小屋での出産、見知らぬ羊飼いたちの訪問に「思い巡らしていた」のです。この「思い巡らす」というのは、あれこれ考えていたのではなく一つ一つを集めて大きいものを考えるという意味で使われているのです。即ち、これらの出来事の多くは辛く、悲しく、惨めなことに思えるけれど、それをつなぎ合わせていく、そこに人智を越えた大きな神の計画を考えていたというのです。
一連の出来事は理不尽で惨めさを残しながらも、もっと大きい所から神は私たちを導き、何よりも愛して下さっているということを確信するという生き方、それがマリアの思いを巡らすという言葉に代表されています。私たちも一つ一つの出来事を紡ぎながら大きな神の愛に感謝し、崇め、讃美しつつ新しい年を歩んでいくのです。天使の告げた<神に栄光、地に平和>は神からの私たちへの応援歌なのです。

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